「ボッチプレイヤーの冒険 〜最強みたいだけど、意味無いよなぁ〜」
第4話

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異世界転移編
<生産>


 とりあえず、私がいないうちに判明した事の報告を受ける

 「まずは私からね」

 と、シャイナが報告を始める

 「ギャリソンに一通り見てきてもらったけど、作業設備自体は特に問題ないみたい。鍛冶場も壊れてないし、調理場も大丈夫」

 作業場はいろいろなNPCが働いているし、チェック自体はそれほど大変ではなかったようだ

 「次に農地、広大すぎてもしかすると生育に問題が出ている作物もあるかもしれないけど、主要な作物やフルーツは大丈夫だったみたい」

 害虫や病原菌のいないユグドラシルでは肥料と水さえ与えれば木や作物は育つ
 そしてその二つともマジックアイテムで与える事ができるから、作業場よりはるかに広い農場でも働いているNPCはかなり少ないようで、こちらはかなり苦労したみたい

 几帳面なギャリソンが調べたにもかかわらず、少ない時間では流石にすべてを調べる事はできなかったようだ

 「あと牧場にいる動物たちはこの世界に転移した事自体気づいていないんじゃないかな?いつもどおり、のんびりすごしていたみたいだし」

 牧場は農地と同じか、もしかするとそれ以上に広大な土地だ
 でも、こちらは農場と違い、遠めで見ても解るからフライの魔法と飼育係のNPCでほぼ全部の家畜を見て回れたみたいで、確かな情報だそうな

 「森林地区も遠めで見る限り変わったところはないみたい。まぁ、森の木は作物と違って多少傷んでも、ほって置いたら元に戻るだろうけどね。枯れそうでも回復魔法で直るし」

 最後に木材を取るための森も特に問題ないとの事、材料系はこれで大丈夫かな?

 「そうか、では外の景色と場所以外は特に変わったことはないわけだ」
 「そうみたいだね」

 これは転移したと言うよりこの世界のこの座標がユグドラシルの前の座標と同じで、世界を移動しただけって事かもしれない
 転移等でどこか他の場所に移動したのなら家畜はともかく、根を張っている植物には何かしらの影響は出ていたはずだからなぁ

 「次はあたしね」

 続いてあやめが立ち上がる

 「あいしゃと一緒に金庫を見てきたけど、こちらも特に問題なし。棚に飾ってあるアイテムもちょっと不安定そうな像一つ倒れているものは無かったし、当然紛失したものもなし」
 「あとねぇ、ワールドアイテムもマジックアイテムやまほうののそうびも問題なかったよぉ」

 と、あいしゃが続く
 貴重品関係は問題なし、と

 まぁ、自分たちが装備しているマジックアイテムは性能も防御力も変わってないし、番人から何の連絡も無かったと言う事は紛失の心配はないからそれほど心配はしてなかったけどね

 「あと、金貨や宝石も見た感じ減ってないみたい」
 「そっか。金庫がその状況ならたぶん地上の設備も何もなくなったものはないだろうね。上にあるのは転移用のマジックアイテムか、見栄え重視の金銀や宝石で飾った家具とかが中心だし」
 「うん、そう思うよ」

 金貨や宝石も所持しているものが変わってないから同じように心配していない
 城自体も最終確認するまでは断言できないけど、ここまでの報告からすると地上だけが壊れたり物が紛失したりするなんて事はないだろう

 「でもまぁ、後で掃除がてらメイドさんたちに確認させておいて」
 「うん、解った」

 それよりも

 「生産に必要な材料は?性質が変わってしまったレアメタルとかはない?」
 「それも大丈夫。ついでに見てきたけど、地下の鉱山地区も変わりなかったよ」

 それを聞いて一安心
 この世界にない鉱石とかはなくなっているなんて事があるかもしれないと心配していたんだよね
 簡単な金属とかはクリエイト系の魔法で作れるけど、レアメタルとなるとそうは行かないから

 「とりあえず物を作ることに関しては報告を聞く限り、何も問題ないし、そのほかの部分も特に問題なしっと」

 まだ、判断するには早いかもだけど、イングウェンザー城自体はユグドラシルあった頃と何も変わっていないと思う
 やはり別の場所に転移したのではなく、そのまま世界だけが移動したのだろう

 「最後に俺から」

 そう言ってアルフィスが立ち上がる
 あれ?アルフィスには何も頼んでないよね?

 「特に指示を受けなかったし、警備はまるんに任せておけば俺は出る幕がないだろうから生産をしてみた」
 「そっか、この世界で魔法を付加したものを作れるかどうかは真っ先に調べるべきだった」

 ナイス!アルフィス、さすが私

 と、ここで生産の話が出てきたからちょっと説明

 生産系スキルには魔法効果を付ける事の出来る上位生産スキルと料理のようにつかない下位生産スキルがあって、上位生産スキルは裁縫、武器鍛冶、防具鍛冶、道具鍛冶、木工、薬師の6種類がある

 ユグドラシルではレベル合計100までスキルが取れるため複数を同時に取る事も可能で、生産系のキャラは複数のジョブを持っているのが普通

 ただ、調子に乗って生産系を取りすぎると戦闘スキルが足りなくてストーリーが進められないなんて事もありえるから、取る人でも3〜4つくらいまでしか取らないし、前提スキルのいる上級スキル、それも15レベルにいたっては複数持つ人はあまりいない

 同アカで複数キャラ作れない事もないけど、課金しないとそれほど強くなれないこのゲームではメインに注力してサブキャラは作っただけって人が多く、課金をしてまで育てようなんて言う人はほとんどいなかったから余計にね

 まぁ、私はストーリーはもっぱらシャイナとまるんでクリアしていたので、二つずつ取っていたりするけど

 因みに、自キャラたちは女の子は料理ができた方がいいという私の個人的な考えから戦闘特化であるシャイナとまるんも含め、全員が最低でも料理スキルを1〜2は持っている

 あと、私たちが持っている15レベルの上位生産スキルは以下の通り

 アルフィンは裁縫
 あいしゃは武器鍛冶と木工
 あやめは防具鍛冶と裁縫
 アルフィスは道具鍛冶と薬師

 シャイナとまるんも一応生産系スキルは取ってはいるけど、戦闘特化だからみな下位レベルのみ
 生産系キャラではアルフィンのみひとつ
 これはファーストキャラで少し戦闘スキル多めなのと、翻訳、鑑定系のスキルをいくつか取ったためで、アルフィンとあやめの裁縫が重複しているのは布を使う防具が存在するためだ

 簡単なスキル説明をすると、裁縫は読んで字の如く、布系全般で魔法の布からドレス、布製防具まで幅広く作る

 武器鍛冶と防具鍛冶、木工も名前の通りの生産職

 あ、木工は家具がメインだけど杖とか弓、スティックとかの武器も作ることが出来るんだ

 魔法の家具と言うのはたとえば[転移門の鏡]<ミラー・オブ・ゲート>と言うアイテムがあるけど、高レベル木工師なら、これの下位転移アイテム[転移の輪]<リング・オブ・ゲート>(移動距離が町単位の広さまで限定転移)とかを作ることが出来る

 これに強いモンスターが落とすアーティファクトや外装をつけると[転移門の鏡]<ミラー・オブ・ゲート>のような上級マジックアイテムになるわけだ

 次に道具鍛冶だけど、このスキルは魔力のこもった生産道具を作る鍛冶職で、生産に使われる魔法の素材を作ることも出来る
 高位の生産品は高位の魔法生産道具を使わないと作れない

 また、上級生産職が作るものには高品質な生産品があり、それが出来る確率、品質度も生産道具の品質に左右される

 余談だけど、ユグドラシルでは料理は高位調理道具を使う事によってより見栄えがよくなり、高レベルの料理スキルを持つものが高位の、それも高い品質の道具で作るほど、同じ材料で料理を作ってもよりおいしくなると言う設定があったんだ

 たぶんこの世界では実際においしくなるんじゃないかな?後で料理長に作ってもらって食べてみよう、ちょっと楽しみ

 薬師は薬全般や魔法のスクロール、各種マジックアイテムなどを作る生産職
 実はこのスキル、ユグドラシルの初期は高レベルになるとポーションやスクロールなどを使う事が少なくなるので一番人気のない生産職だったんだよね

 そこで運営も問題視したらしく、てこ入れとしていろいろと後付で作れるものが増やされたため、薬師と言うのに主に作るのはマジックアイテムと言う変わった職になってしまった
 戦闘に使われるものばかりではなく、魔法の明かりや入れたものが常に冷えている魔法の水さしなどの生活に使われるマジックアイテムも、この生産職で作ることが出来る

 最後に、前にちょっと触れたけど、各上級生産職は15レベルになるとより強力な付加価値をつけるスキルを手に入れる事ができたり、最高品質品が出来やすくなるスキルやランダム発動ではあるが効果の大きい必殺技なるものが使えるようになる

 強力な付加が付き、なおかつ最高級品が出来れば、装備にによっては10億以上のお金で取引される事も珍しくなかったんだ
 数字的にみると2とか3の違いなのに1上がるたびに値段が億単位で上がるのはある意味滑稽な話だよね
 でも、みんなその2〜3に必死だったんだよなぁ
 一つ一つは小さくても、複数個所集まれば大きなアドバンテージになったからね

 とまぁ、生産職の大まかな説明はこんなところかな

 私たちは魔法の布や武器や防具につけるマジックアイテム、それを生産する魔法の掛かった工具アイテムや日常で使うマジックアイテムを自分たちで作れるから新しく何かを作るのには困らないけど、たとえばたった一人でこの世界に放り出されたら困ったろうなぁと思う

 物を作るのにはいろいろな職業が必要だし、問題が起こった時とかに相談できる相手がいないのは不安だ
 たとえ中身が自分だとしても、性格が違うのなら当然違う意見が出てくるからね
 ホント6アカ作っておいて良かった

 さて、話を元に戻そう

 「作ってみたのは超鍛冶ハンマーと超木工刀。どちらも普通に作れたよ。まぁ、必殺技が出なかったから大成功にならなかったけど、たぶん出ればこの世界でも最高品質品になると思う。☆は付いたからね」

 ☆と言うのは先ほども出てきた、できたアイテムの品質を表すもので、☆なしから最高品質品の☆3まである
 それと、大成功と言うのは☆3が出来たときにファンファーレとともに大成功と表示された事から、最高品質品が出来た事を大成功と言うんだ

 因みに超と言うのは道具の種類で、この上には奇跡とか光とか言う道具もあったりする

 「そっか。なら生産そのものも今までと同じ様に作れそうかな?後不安があるとしたらこの世界に生産に必要なレア金属があるかどうかと言うことか。たぶんプラチナとかはあるだろうけど・・・」

 最低でもアダマンタイトくらいはありそうだけど、魔法を含んだレア金属はどれくらいあるだろう?
 一応ストックはかなりあるけど、最高位マジックアイテムに使う金属だけは確保できる目処がつくまでは大事にしないと
 アーティファクトや外装なんかは絶望的だろうなぁ
 使いきれないほどあるにはあるけど念のため、比較的数の少ない最高位のものは自分たちが使うもの以外はなるべく生産しない方がよさそうだ

 「一応武器と防具も後であやめと作ってみるから、アルフィスはポーションとスクロール、後魔法付加もお願い」
 「後と言わずに、今すぐやろうよ。これはうちにとって一番大事なことだし」

 あやめに促されて、即行動する事にする

 確かにここまで今までと同じだと他の生産品も同じだろうけど、生産品を利用して作るアイテムとか、消耗品とか効果が違ったり材料が違ったりしてもいけないからね
 と言うわけで、全員で地下1階層にある作業場へ移動してそれぞれ生産を開始

 私はとりあえず魔法の布を作り、それをあいしゃへ
 そしてその布を使って簡単な魔法の家具を作ってもらう

 あやめは特殊効果のついた金属製、布製防具を作り、それをシャイナとまるんに渡して試してもらう

 最後にアルフィスがポーションと簡単なスクロールを作成
 ついでにフライの魔法を付加したのペンダントを作り、それの効果を確かめた所でとりあえず検証は終了かな

 「うん、全部今までどおり」
 「とりあえずここにあるもので作った限りでは、違和感無く作れそうだね」

 まだ、この世界の材料を使って作ってみない事にはずっとこの体制が維持できるかどうかわからないけど、とりあえずは一安心だ

 「ただ、生産は一度ストップしたほうがいいと思う」
 「どうして?あるさん」

 まるんが不思議そうに聞いてくる

 「今までなら何が売れるか解っていたから、売れ線を中心に作っていたけど、この世界では何が売れるか解らないからね」
 「そうか、売れないものを作っても在庫を大量に抱えるだけだからね」

 確かにこの城は広大で倉庫になるところは無数にある。でも、折角作ったものがほこりをかぶってずっと放置されるのはやはり寂しい

 「とりあえず、2〜3日後にでも領主に会いに行こうと思ってるし、その時にエントの村と領主の館を見比べてこの世界の文化レベルを確かめてみるよ」

 マジックアイテムはともかく、調度品を見ればどれくらいの価値のものがこの世界で売れるか位はわかるからね

あとがきのような、言い訳のようなもの


 プロローグは前回で終わりと言っておきながら、今回もその延長のような話になってしまった

 でも、これはある程度必要な話だし、もうちょっとストーリーが進んだ後に持ってきてもいいけど、やはりストーリーが進んでいる時は、設定より続きを読みたいだろうなぁと思って、ここに持ってきました

 因みに今回の説明の結構多い部分をDQ10から引っ張ってきました
 別にオリジナル小説でもないし、新しく作るのが面倒だからね
 因みにマジックアイテムを作ると書いてあるから解ると思うけど、つぼやランプに当たるのは薬師ね

 ただ、ユグドラシルの場合、強力な魔法の武器防具はアーティファクトをつけて作るのでどちらかと言うと簡単な耐性やステータスアップをつける程度かな、薬師が出来るのは

 さて、私のSSでは料理は魔法付加効果が付かない下級生産職になっています
 これを読んで疑問に思われた方もいるのではないでしょうか

 MMOでは料理は食べると付加効果が付くアイテム扱いのものが多く、私がやっているDQ10でも料理を食べる事によってHPアップや経験値アップの付加が付きます
 でも、この世界ではステータスアップ等の付加価値は付かないものと判断しました

 まずユグドラシルですが、食べなくてもよくなる魔法やアイテムがあリます
 そこから考えると信長オンラインのようにおなかがすくシステムなんだろうと考えました

 よく知られている小説で言うとオーバーロードと同じサイトに載っているログ・ホイズンのエルダー・テイルがこのシステムですよね
 まぁ、あちらはボーナスの付く高級食品もあるようですが

 で、ユグドラシルではどうかと言う話になるのですが、食べなくてもいいどころかアンデットのように食べる事ができない種族までいます

 と言う事は料理を食べてもステイタスアップ等のボーナスは付かないのではないか?と考えたので下位生産職としました
 まぁ、web版ではそのような表現がないのでこう解釈していますが、もしかしたら書籍版では付く事になってるかもしれないけど、その時は誰が作っても同じ効果になるという事でw

 因みに、ステイタスアップはないのに高位調理道具があると考えたのは、アインズが提供する料理が、貴族でさえ食べた事がないほどおいしい料理だと言う事で、料理システムそのものが違うのでは?と考えたから

 どう考えてもこの世界にない食料アイテムをナザリックに大量備蓄しているとは思えないんですよ、唯一のプレイヤーキャラであるアインズがアンデットなのだから

 そう考えると使っている素材はこの世界で調達したもので、調理法だけが違うはずですが、料理ならともかく飲み物まで信じられないほどおいしいとなるとそうは行きません
 果実を使ったジュースは100パーセント生ジュース以上においしいものは作れないのですから

 と言うわけで、調理する道具自体に料理をおいしくする魔法の道具があると考えました
 マジックアイテムの価値がかなり高いこの世界では魔法の調理器具なんて物を作ろうなどと言う発想自体ないだろうから、当然貴族たちも魔法の調理器具で作った料理を食べた事などあるわけがないですからね

 さて、次に自キャラたちの取っているスキルですが、生産系キャラでも当然戦闘スキルを持っています
 戦闘ができないとレベルは上げられないし、普通MMOではかばん拡張などいろいろなクエストを受けないと手に入れる事ができないものがあるので当然です

 ただ、シャイナとまるんを除いた4人は戦闘スキルを50レベル前後しかとっていないのでユグドラシルの基準からすると100レベルキャラとしてはとても弱いです
 下の中位かな?

 それでも、100レベルだからこの世界では無双できます
 やろうと思えばアインズ同様、10万人規模の大虐殺も可能です
 絶対にやりませんがw

 全部のキャラクターの職を決めている訳ではないですが、とりあえず決まっているのはすでに出ている前衛系のシャイナと攻撃魔法系のまるん、今のところ主人公みたいな神官とモンク職系のアルフィンかな

 アルフィンの職の生み合わせは、RPGでこの二つの職が装備できるものが重複することが多いのでこの組み合わせになっています
 神官由来みたいに本編では書いてますが、SSを書き始める時点で、アルフィンにキ・マスターを取らせる事を決めたので実際は神官が後付けです

 キ・マスター15で、前衛もどきも出来ますが、攻撃魔法も当然取ってますよ、特に対アンデット系はかなりの数を
 まぁ、それでも基本的に覚えている魔法は回復蘇生系が多いけど

 因みに使える魔法の数はメインキャラだけに課金アイテムでかなり増やしていて650弱
 攻撃魔法特化のまるんにいたってはアインズなみの700ちょっと
 こちらは戦闘系ギルドからもらったアイテムで底上げされた数で、それがなければアルフィンと同程度でした

 ちなみ対アンデット特化のアルフィンですがアインズやシャルティアには当然勝てません、下の中ですからw

 あと、エルフと言う事であやめはレンジャーとドルイド系マジックキャスターにしています

 他の二人は今のところ保留かな
 あいしゃはドワーフだから前衛系っぽいけど、イメージが合わないんだよね
 まぁ、それはこの先ストーリーが進んだときに考えましょう

 さて、次回からはちょっとストーリーを進めるつもりです
 とはいえ、まだ城から出なさそうですが(汗

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